■「自分の立ち位置はギリギリ」
そうしたポジションやタスクの中で、攻守に渡り森保監督が求める基準を満たした上で、自分のスペシャリティを上乗せしていけるか。伊藤敦は中盤でどういう役割を担うにしても「強度の高さだったり、判断スピードの違いというのは一番感じている」と言う課題に向き合い、プレーのベースを引き上げていく必要がある。その基準を浦和に持ち帰ることで、厳しい日程の中でも代表に送り出してくれている浦和に還元する。
「（世界基準が）見えてきたからこそ、より何か自分の課題が見えてきてるというか、まだまだ物足りないというのはありますね。」
そう答えながらも充実した表情を見せる伊藤敦が、ハイレベルなボランチの競争に勝っていけるのか。「自分の立ち位置としては本当に毎回、選ばれるか選ばれないかギリギリのところにいると思います」と認めるが、マルチタスクにスペシャリティを加えて、中盤の主力に食い込むぐらいのアピールを見せた先に、23人枠でも定着していける道は開けるはずだ。
（取材・文／河治良幸）
