■「とっさの判断ですね。それができている」
カナダ戦のゴールシーンにしても、ボールを受けた瞬間、DFサマル・ミラーが寄せてきたのを察知し、いったん背中を見せてマークを引きつけ、すぐさま反転してフリーで蹴り込んだ。
フランス初ゴールとなった9月26日のリール戦にしても、ラストパスを受けて相手の位置をしっかり見極め、ループで確実に沈めている。そういった冷静さは中村敬斗の類まれな才能以外の何物でもない。これは同じ左サイドの三笘にもできない芸当だ。
「とっさの判断ですね。それができていると思います」と本人も自信をのぞかせた。もともとFWだった彼には長年、蓄積してきた経験値と高いシュート技術がある。それが日本代表の新たな武器になりつつあるのは確かだ。
(取材・文/元川悦子)
(後編へ続く)