■サッカーの生命に反する行為
「うまくできなくて当たり前だから、思い切り走って、ともかく自分のゴールにボールを入れさせず、相手のゴールにボールを入れることだけを目指せ。ここだと思ったら、どこへ走ってもいいぞ」
小学生時代からサッカーをプレーしていた同級生は、試合前に、そう言ってくれた。
昨今の「猛暑」とは違い、この年の梅雨空け直後の7月は気温は30度程度で、とても気持ちが良かった。おそらく20分ハーフぐらいの試合だっただろうが、私は終始笑顔だったに違いない。こんなに広いところを自由に走っていいなんて! 試合が終わったとき、解放感や壮快感だけが残っていた。だた、それからすぐにサッカー部にはいったわけではなく、それから2年以上たって、中学3年生の秋にようやくサッカー部の扉を叩くことになるのだが…。
「自由であること」がサッカーの最大の魅力であり、サッカーの生命と言っても過言ではない。
犯罪者じゃあるまいし、後ろ手を縛られるように両腕を後ろに組んでプレーするなんて、絶対にやりたくないし、見たくもないのである。