■懐かしい光景
「非対称戦」などという話題を持ち出したのは、サッカーの試合でもこのところ「非対称」の戦いが続いたからだ。
その最たるものが、中国・杭州で開催されていたアジア大会のサッカー競技だった。
男子の決勝戦(10月8日)では、日本代表が韓国相手に開始早々、内野航太郎のゴールで先制したものの、その後は完全に押し込まれ、なんとか最終ラインが耐えていたものの前半のうちに同点とされ、後半にも追加点を奪われて韓国が大会3連覇を達成した。
韓国のパワーに圧倒される日本代表……。それは、なんとも“懐かしい光景”だった。
最近は、代表同士の戦いでは日本が圧倒的に優位に立っている。だが、杭州での日韓戦は大部分の時間帯で完全に押し込まれてしまった。
Jリーグ発足前の日韓戦というのは、いつもこんな様子だった。なにしろ、1959年のローマ・オリンピック予選で1勝して以来(1勝1敗で予選には敗退)、15年間韓国に勝てなかった時代すらあったのだ。
だから、アジア大会の決勝を見て、僕は久しぶりに昔の日韓戦を思い出したのだ。