■気になる中断期間明け

 こうして、順位争いに動きがあったJ1リーグは3週間の中断に入った。10月最初の日曜日は天皇杯全日本選手権大会準決勝があり(神戸も横浜FMもすでに敗退)、そのまま代表ウィークに入る。リーグ戦再開は10月20日の金曜日。神戸と横浜FMの再開初戦は21日の土曜日ということになる。

 横浜FM戦の後半に足が攣る選手が何人もいた神戸にとっては、中断は大きなプラスになることは間違いない。吉田監督は「しっかりレスト(休息)を与えて、心もサッカーから離れさせる」と語る。良いコンディションでリーグ戦再開を迎え、残り5試合を走り切ることが神戸のリーグ初制覇につながるという計算だ。

 神戸がリーグ戦再開に向けて準備をする中、横浜FMは多忙なスケジュールをこなすことになる。神戸戦を終えた横浜FMは中国山東省の済南に向かった。AFCチャンピオンズリーグのグループステージ、山東泰山との試合に臨むためだ。

 そして、帰国後にはJリーグ・YBCルヴァンカップ準決勝で浦和レッズとホーム&アウェーの2試合を戦う。もちろん、カップ戦ではターンオーバーを使うだろうが、それにしても中断期間中に横浜FMは中国までの移動も含めて3試合を戦うことになる。

 ただ、神戸にとっても長い中断にはリスクを伴うことは確かだ。中断によって休息が取れてフィジカル、メンタル両面での疲労を回復させることはできる。だが、中断によってゲーム感覚を失うこともあるし、気持ちを再び高めていくというマネージメントも必要となる。再開初戦は、落とし穴になりかねないのだ。むしろ、緊張を保って再開を迎える横浜FMの方が有利なのかもしれない。

 神戸にとって大事な再開初戦は10月21日の第30節。相手は、難敵の一つである鹿島アントラーズであり、しかも神戸のホームゲームながら東京・国立競技場での開催となる。

 この国立での鹿島戦を勝利で乗り越えた時、神戸にとって初めてゴールが見えてくるはずである。

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