■神戸が止まった
「守りに入るべきだった」という意味ではない。ゲームをコントロールすることを心がけるべきであり、結果として追加点が生まれなくてもいいという意味だ。
ところが、後半は開始早々からオープンな撃ち合いになってしまったのだ。これは、2点を追う立場の横浜FMにとって望ましい流れだった。
「撃ち合い」で始まった後半は、60分を過ぎると横浜FMが攻勢を強めていった。得点になってもおかしくない場面も多く、GKの前川黛也を含めて、神戸の守備陣がよく耐えてなんとか守り切った。
神戸が劣勢になったもう一つの原因は、神戸の選手たちの足が止まったことにもあった。
何人かの選手が足を痙攣させてしまっており、トップ下で広いエリアをカバーしていた佐々木は早い時間帯から足を気にしていたが、77分に足が攣って交代をよぎなくされた(交代は78分)。そのほかにも、何人もの選手が足に不安を抱えていた。
神戸にとって、この試合は連戦というわけではなかった。9月23日の第28節セレッソ大阪戦から中5日のスケジュールだった。中4日の横浜FMより楽な試合日程だったはずだ。なぜこれほど疲労してしまったのか? 大迫、武藤、酒井など中心選手の年齢が高いことが原因だったのか……。
こうして、前半はパーフェクトな出来だった神戸も、後半を見るとその弱点が見えてきてしまった。だから、まだ「神戸が優勝に“大きく”近づいた」とは表現できないのである。