■「口がすごい動いていますから」
元川氏は「ありがとうございます」と感謝の言葉を述べながら「動くのが大変です」などと言葉を返すと、森保監督は「いやいや、大丈夫ですよ。口がすごい動いていますから」と報道陣の笑いを誘った。元川氏の“マシンガントーク”に、“視察”した指揮官も安堵したようだ。
その後、元川氏は「いやー、本当にいい人。わざわざ来てくれるなんて。涙が出るかと思いました。ありがたい」と口にしていたが、直後、元川氏のこの日の送り迎えをしていた記者の河治良幸氏には、「早く車持ってきてよ」と鋭いカウンターを繰り出す場面も。
元川氏は、9月に行われたサッカー日本代表の欧州遠征後に現地で行っていた別の取材中に負傷。本誌記者に「足が痛い」と連絡していたが、その時点では原因が分からず、帰国してから骨折していたことが判明していた。
この日は両手に松葉杖を抱え、さらに、取材時に使うICレコーダーをセルフィー棒にくくりつけて、足元が安定しない中でも選手に話を聞いていた。浅野拓磨も、「大丈夫ですか」と元川氏に声を掛けており、改めてその存在感を示したのだった。
(取材・文/中地拓也)