■三笘選手は、ブライトンの左の主力と見て間違いない
――最後に、今シーズンのブライトンはヨーロッパリーグを戦うというところで、注意すべき点などあれば。
「ヨーロッパのチームは過酷な移動スケジュールなどは当たり前なので、昨シーズンを通じて、三笘選手も体力面の対応はできているはず。ただ、やっぱり、全試合に出場し続けるのは難しいでしょうし、全試合をベストコンディションで迎えるというのは現実的に不可能です。なので、どの試合で、どのタイミングで消耗を抑えるか、シーズンのどのタイミングで休むのか、そこらへんのバランスを考えないといけないと思います。
そのためには、しっかり自分の意見を監督やチームに伝えること。日本人って、黙って仕事をこなすのが美徳とされてる節がありますが、それでは絶対に良いパフォーマンスは出ませんからね。
特に、三笘選手は、ブライトンの左の主力と見て間違いないですからね。試合に出続けながら消耗を抑える。端的に言えば、試合中に〝効果的にサボる〟ことでしょうね。守備の時にポジショニングをしっかり取っておいて、一試合で走る総距離を減らしたり、 試合展開に合わせて先読みをしてポジションを取って、その間に一息ついたり。そういった負担の減らし方ができると、シーズンを通して活躍できると思います。今の三笘選手って、すごく一生懸命プレーしているんですよ。素晴らしいことですけど、その反面、ここまでやっていて大丈夫なのかって、僕は思っちゃうんですよね」
――ほかに改善点はありますか?
「あとは、ゴール後のパフォーマンスをもうちょっとだけかっこよくしてほしい(笑)」
――なるほど、それも大事ですか?
「プレーで引きつけるのは当然ですが、ゴール後のかっこいいパフォーマンスをすることで、サポーターはすごく盛り上がるので。今の三笘選手には、ちょっと恥ずかしさが見えますね。そこも彼の良さなんでしょうけど、もっと自分をアピールしても良いと思います」
#2「世界で活躍するSAMURAI選手の〝本当の実力〟と〝海外評価〟!」に続く。
城彰二(じょう・しょうじ)
1975年6月17日北海道生まれ。鹿児島実業高等学校3年時の高校サッカー選手権大会でベスト4に入るなど、プロ入り前から活躍し、高校卒業後にジェフユナイテッド市原に加入。デビュー戦を含め4試合連続でゴールを決めるなど、若くして注目の選手となる。その後、横浜マリノスへの移籍などステップアップを続け、A代表として1997年、フランスW杯アジア最終予選に参加。悲願の本選初出場を決めたチームにおいて、エースストライカーとして活躍する。現役引退後は、解説者として活躍。現在はユーチューブチャンネル『JOチャンネル』での動画配信など、サッカーの魅力を発信し続けている。