「ギアの入れ方」「サッカーIQ」元日本代表FW城彰二氏インタビュー#1 世界を4人抜きスーパードリブルで席巻する三笘薫の“新ドリブル技術”と課題の画像
城彰二 撮影/川しまゆうこ

 プレミアリーグが開幕して第4節までが消化され、現在は代表ウィークに入っている。今シーズンも多くの日本人選手が、世界を舞台に戦っている。今回は、そんな移籍市場からシーズン序盤戦、さらに日本代表について、元日本代表FW城彰二氏に直撃インタビューを敢行。

 ♯1では、プレミアリーグ挑戦2年目にして、すでに出色の活躍を魅せる三笘薫選手について聞いた。

――(2023年9月5日時点で)開幕から第4節まで終わって、三笘選手は1ゴール3アシストを記録しています。

特に、8月19日の対ウルバーハンプトン戦で、前半15分に、左サイドのハーフライン付近からドリブル突破をし、相手DFを4人抜き去って決めたゴールが世界で話題になりました。

「あのゴールは、彼のギアの入れ方というか、トップスピードに入る速さが際立っていましたね。それに、ディフェンスにぐっと寄せられる場面があって、そこで普通の選手なら減速するんですが、三笘選手は、その力を吸収しながら、逆にスピードアップしたんですよね。彼の瞬発力、体の柔軟性、そして、つま先で触りながら変化をもたらすドリブルのテクニックなど、あの場面には彼の武器がたくさん詰まっていましたね」

――三笘選手は、ペナルティエリアの近くでシュートせず、さらにワンタッチをして、最終ラインを抜いてから決めました。あの判断は?

「彼はやっぱり、サッカーIQが高いなと。あの場面は、トップスピードでドリブルをしているし、本当にギリギリのところを攻めていたんですが、その中でも、視野をすごく広く持っていて、的確な状況判断をしていました。

 彼がドリブルをして2タッチ目で抜けた時、たしかにシュートをするタイミングはあったんです。ですが、あのゴールシーンをいろんな角度から見てみると、そのタイミングでは、コースがなかったんですよ。あの位置だと、DFが足を出せばシュートを防げるし、シュートコースが限られていて、うまく狙えない様子でした。三笘選手は、トップスピードで侵入しながら、こういった状況判断を一瞬で行っていたはずです。それで、ここからじゃ打てないから、もう1個持ち出して、完全にDFを抜き切って、角度を作ってから打ったと。

 三笘選手には迷いが見えませんでしたし、そこらへんの判断や感覚が本当に優れているなと思いました」

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