■背番号10が負傷交代を強いられ
後半開始直後、清水をアクシデントが襲う。カルリーニョス・ジュニオがピッチに座り込んでしまったのだ。右ひざを気にする背番号10が退き、FWベンジャミン・コロリが2列目左サイドに入る。
3試合連続得点中のブラジル人MFを欠くことになったものの、清水は後半開始から圧力をかけていく。ボールを失っても敵陣で即時奪回し、オープンプレーとセットプレーから相手ゴールへ迫る。
60分過ぎに2枚替えをした徳島が、4-2-3-1から3-4-2-1へ立ち位置を変えてきた。64分には徳島FW森海渡に至近距離から決定的な一撃を浴びるが、GK権田修一のビッグセーブで得点を許さない。
その直後、秋葉監督が動く。DF吉田豊とDF北爪健吾を送り出し、システムを3-4-2-1に変更した。飲水タイム後の75分には、神谷とチアゴ・サンタナを下げ、MF宮本航汰とFW北川航也が出場する。
5枚の交代カードは使い切った。あとはピッチに立つ11人が、答えを出すしかない。しかし、最後まで相手ゴールをこじ開けることはできなかった。
カルリーニョス・ジュニオの負傷交代は痛かっただろう。徳島の粘り強い守備に苦しめられたところもある。いずれにしても、2試合連続のドローである。2位浮上の好機を、またしても生かせなかった。
次節は乾の出場停止が解けるが、カルリーニョス・ジュニオが累積警告で出場停止だ。背番号10はケガの具合も気になる。
前節は1点、今節は無得点に終わった。もっと言えば、27節の栃木SC戦以降の7試合で、複数得点を1度しか記録していない。「超攻撃的」、「超アグレッシブ」の姿勢が、得点に結びついていない。
決定機を生かせなかった意味では、ゴール前のクオリティが問われる。ただ、「崩し」にこだわるあまりに、シュートチャンスを逃している場面がある。清水が勝ち切るために必要なのは、強引にでもシュートへ持ち込む姿勢だろう。