■思い込みを打ち消す灯り

 もちろん、道路に照明などはありませんし、道路の両側を見ても、街も建物も見当たらず、ただただ真っ暗で、周囲が畑なのか、サバンナなのか、それとも森林なのかも判然としませんでした。最初のうちは……

 地球上の夜というのは、本来は、こういう暗いものなのでしょう。と思ってぼんやりと車窓を眺めていましたが、バスの中から目を凝ら見ていると、暗闇の中にも人々の生活があることが分かってきます。

 一見、真っ暗に見えても、蝋燭やランプの灯りがチラホラと見えるのです。

 そして、いったん蝋燭やランプの存在に気が付くと、実は灯りの数がとても多いことが分かりました。

 つまり、「真っ暗」すなわち「無人」だと思っていたのはこちらの思い込みであり、実は真っ暗な中でも大勢の人たちが日々の生業を営んでいたのです。

 ナイジェリアは今では人口が2億人を超え、世界で7番目の国になっています。1999年当時は、1億2000万とも1億4000万とも言われていました。

 ですから、真っ暗な中にも多くの人が住んでいたのです。

(2)へ続く
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