J1はシーズン後半戦に入っており、争いが激化している。上位では、首位から4位までが勝点6差にひしめく。昨季も優勝した横浜F・マリノスと川崎フロンターレが最後までデッドヒートを繰り広げたが、今季はやや趣きが異なる。今シーズン見えてきた新たな流れを、サッカージャーナリスト・後藤健生がつづる。
■リーグが低調に見える理由
川崎フロンターレは、ここ数年の圧倒的な戦いぶりを考えると信じられないような不振に陥って、25節終了時点で9位に低迷してしまっている。
主力選手が相次いで海外クラブに流出し、さらに残った主力選手が高年齢化。さらに多くの主力選手が負傷。川崎がJリーグの覇権を奪還するには、早めに若手に切り替えて新しくチームを作り直すしかないだろう。
一方、昨シーズンの覇者である横浜F・マリノスは、もちろん現時点で首位に立っているのだから良いサッカーしているのは間違いない。だが、優勝した2019年や2022年のような圧倒的な攻撃力を発揮しているようには見えない。
両サイドバックがボランチの位置から、バイタルエリアにまで進出して仕掛ける横浜FMの攻撃ももはや見慣れたものとなっており、各チームも対応できるようになった。
ここ数年の、川崎と横浜FMの圧倒的な攻撃サッカーを見慣れてしまった眼には、「今シーズンのJ1リーグはどこか低調」と見えてしまうのである。J1のサッカーは昨年までのようにスペクタキュラーではないように見えるのだ。