■「どんどん自分たちのプラン通りに」

 その個人の好調の要因として、「選手として成長した」ことに加えて、「チームではすごい、監督にもチームメイトにも本当に信頼されるようになって」と、「信頼」という言葉を使って説明している。そして、「自分がチームを何とかしなきゃいけないっていう責任感みたいなのが生まれたことが一つの自分の今の好調の要因なのかなと」と、チーム内での好循環を挙げた。

 さらに、個人の成長だけでなくチームとしての成長も見せる覚悟を示している。前回対戦では日本が守備的に戦い、ボール支配率も圧倒的な差が出る内容となった。それに対し久保は、「W杯だったんであれで僕は満足してますけど、さすがに親善試合であれ(をやるの)は厳しい」と危機感を持つ。

 そして、次回大会のW杯や来年開催のアジアカップを見据えたうえでも、「練習でトライできないことは試合でできないのと一緒で、親善試合でトライできないことは(W杯など公式の)試合でできないと思うので、結果的にはどうなるか分からないですけど、引いちゃうとかそういうことは避けて、どんどん自分たちのプラン通りに試合を進めていかないと」と話す。

 あれから1年弱。個人として大きく成長した久保が再びのドイツを相手にどのようなプレーを見せるのか。ファン・サポーターにとっても、そして、久保自身にとっても楽しみな試合となりそうだ。

(取材・文/中地拓也)

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