8月6日、J1リーグ第22節が行われ、17位の横浜FCがホーム・ニッパツ三ツ沢球技場で首位のヴィッセル神戸に2−0の快勝を収めた。その先制点となるMF井上潮音のゴールが反響を呼んでいる。
序盤からボールを握られた中で生まれた美しいゴラッソ弾だった。前半23分、相手DFのクリアボールを拾っての2次攻撃。相手陣内右サイドでボールを受けた背番号20の井上は、中央へドリブルしながらいったん、DFラインにボールを下げる。そしてDFマテウス・モラエスからのリターンパスを受けると、巧みなターンで素早く前を向いて中盤のブロックを突破する。
ここから一気に加速した。リズミカルなステップを踏みながらドリブルで前進すると、相手DFラインが下がった一瞬の隙を逃さず、ボックス外からインステップで右足一閃。唸りを上げたシュートがゴール左隅に突き刺さった。攻撃の組み立てから仕上げまでを、井上が一人でほぼ完遂したゴールだった。
8月3日に26歳となったばかりの井上は、東京ヴェルディのアカデミー出身で、2021年に神戸に移籍してJ1デビューを飾った。同年はリーグ戦22試合に出場したが、2年目の2022年はリーグ戦出場7試合と出番を減らし、今季から横浜FCに加わった。井上にとっては首位に立つ古巣を見返す“恩返し弾”でもあった。