8月5日、山形県山形市の中心部に賑やかな声が響いた。夏の風物詩であり、東北を代表する夏祭りの一つである山形花笠まつりが始まったのだ。
東北4大祭りにも数えられる花笠まつりは、花笠を手にし「花笠音頭」に合わせて街中を練り歩くもの。1963年に始まったイベントではあるが、この地域の夏にはなくてはならないものとなっている。コロナ禍の影響でさまざまな制約下にあったこの祭りも、今年は4年ぶりに制限なしで行われている。
賑やかさが戻って多くの参加者が練り歩く中に、ある人物がいた。J2モンテディオ山形でキャプテンを務める山田拓巳だ。花笠を持って踊る人の中で、山田も花笠を手に同じように巧みな動きを披露している。
山田は現在33歳で、2008年にこのクラブでプロ入りして以来、モンテディオ一筋のバンディエラ。2度のJ1昇格と同じく2度のJ2降格を知る男は、地元の祭りにも長く接してきた。山形のユニフォームを着用して踊ることで、チームと地元との懸け橋となっているのだ。