■乾のスーパーゴールで大分を突き放す!
前半を1対0で折り返した清水だが、後半開始直後の50分に同点とされる。ここからホームチームに押し込まれる展開となるものの、63分に試合の流れを変えるビッグプレーが飛び出す。
カウンターの局面で乾がドリブルで持ち出すと、ペナルティエリア手前で右足を振り抜く。これがゴール右上スミをとらえた。ゴールマウスの外側からマウス内へ戻っていく軌道は、GKからするとどうしようもないものだ。
「自分の得点はそこまで気にしていなくて、誰が点を取ってもいいと思っているんです」と話している乾だが、今シーズン初の複数得点で通算7ゴールとした。経験豊富な元日本代表MFは、勝利に直結する得点やアシストをマークしている。
2対1のまま終盤へ持ち込むと、86分にDFを増やして4バックから3バックへ変更する。最終盤に相手が退場者を出したこともあり、清水はスキを見せることなく勝ち切った。
7月に入ってからの長崎、仙台、そして大分との重要な3連戦を制し、清水は勝点を「41」に伸ばした。順位もJ1昇格プレーオフ圏内の6位まで上げてきた。2位の東京ヴェルディとは勝点「3」差で、自動昇格圏も見えてきている。
6月まではルヴァンカップ出場の影響で、他チームにはない過密日程を強いられてきた。実はこの日も、5連戦の最終戦だった。
しかし、ここから先はライバルたちと同じ日程で勝負できる。秋葉監督は「タフなゲームを勝ち切ることができた」と選手を讃え、「競争力を高めながら残りのゲームに挑んでいきたい」と気を引き締めている。