7月9日、国立競技場でFC町田ゼルビアと東京ヴェルディが対戦。J2リーグの首位と2位がぶつかる激しい戦いとなった。
3万8千人超えの観客の前で繰り広げられたこの試合は、前半にホームチームが2点を先行する。開始早々の2分にゴールネットを揺らすと、前半38分に追加点を奪ったのだ。
アウェイチームは苦しい状況の中で前半を折り返し、2人の選手を替えて残りの45分に挑んだ。それでも得点が入らないと、後半21分にさらに2人を交代する。このときピッチに立った一人が背番号40を背負うMF新井悠太だ。
新井は東洋大学に今も通う現役の大学3年生。2025年からチームに加入することが決まっており、今年6月9日にJリーグ特別指定選手になることが発表されていた。166cmと小柄な体から繰り出すドリブルを武器とする新井は、7月5日の長崎戦でデビューすると、その試合でゴールを決める大活躍を見せていた。
そんな新井が、投入直後の後半23分過ぎに見せたドリブルが多くの人の視線を集めた。左サイドでうまく体を入れ替えてボールを持って前を向くと、そのままペナルティエリアに侵入。背後から町田の選手が追いかけ、中へのコースを切ろうと足を伸ばすのだが、そこで新井は見事な切り返しを見せる。そして、最後は左足で強烈なシュートを放つのだ。角度がなかった場所からの一撃だったこともあってポストにはね返されたものの、国立競技場でどよめきが起こったほどのプレーだった。