韓国相手の連続「3対0」の偶然を支える「必然」の優位性【称賛すべきU-17日本代表のアジアカップ連覇】(2)の画像
若き日本代表がたくましさを見せている 撮影:中地拓也

 U-17日本代表が、タイで開催されていたU-17アジアカップを制した。連覇を果たした優勝には、大きな意味がある。若き日本代表の戦いぶりを、サッカージャーナリスト・後藤健生が紐解く。

■スコアが示す圧倒

 韓国との決勝では、先制ゴールが前半のアディショナルタイムとなったものの、圧倒的優位な状況の後半にも積極的に2点目を狙い続け、66分についに2点目が生まれた。

 中盤の佐藤龍之介(FC東京)からバイタルエリアにいた望月耕平(横浜F・マリノス)にくさびが入り、望月が落ち着いてターンして前向きになって、ボックス内の名和田我空(神村学園高)にパスを送ると、名和田が一歩前に持ち出して、相手GKホン・ソンミンの動きを見ながらゴール内に流し込んだ。こうして、日本はこの見事なゴールで韓国の逆転への望みを絶ち切ったのだ。

 そして、さらに後半終了間際の90+6分にはやはり佐藤からのスルーパスを受けた道脇豊(ロアッソ熊本)が、相手DFとGKをかわして決めて3点差とした。

 韓国側から見れば、コ・ジョンヒョンの退場は厳しい判定と見えたかもしれない。あるいは、84分に走り込んできた韓国のワントップ、キム・ミョンジュンをGKの後藤が倒した場面はPKを取られても仕方のないプレーだった。

 しかし、内容的には明らかに日本が上回っており、たとえ韓国が11人のままでも、日本が確実に勝利した可能性が高い。

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