■決定機を逃した代償は大きく
エンドが代わった後半は、序盤に好機をつかむ。53分、ボランチ松下佳貴のワンタッチパスが、ペナルティエリア内右の中島につながる。背番号7は左足でフィニッシュに持ち込んだが、枠をとらえることはできなかった。
さらなる決定機は67分に訪れる。後半から出場したFWホ・ヨンジュンが、ペナルティエリア内で相手CBをかわして右足を振り抜く。しかし、コースを狙った一撃はゴールマウスをとらえられない。
直後の69分だった。山口に痛恨の2点目を喫してしまう。こちらは後半途中からピッチに立った選手が、アシストと得点を記録した。
試合後の伊藤監督は、「後半のチャンスを決め切れなかった」ことを敗因のひとつにあげた。0対1の時間帯に追いつくことができれば、試合の主導権をつかむことはできただろう。ただ、相手のプレスを剥がすクオリティを、仙台が見せられなかったのも事実である。
そもそもシーズン前半戦の仙台は、ゴールへの明確な道筋を示すことができなかった。昨シーズン14得点のFW中山仁斗が1点、韓国代表歴を持つホ・ヨンジュンが無得点と、得点源となるべき選手が結果を残せなかったのは大きいが、彼らが「取れる形」をチームとして作り出せなかったことは否定できない。20位の山口に力負けしたと言ってもいい一戦は、その意味でも前半戦を象徴するようなゲームだった。
これで仙台は、8勝6分7敗の9位で前半戦を終えた。勝点30は首位のFC町田ゼルビアと勝点16差、2位の大分トリニータとは勝点10差だ。浮上のきっかけをつかめないまま、後半戦へ向かっていくことになった。向かうことになって、しまった。