■仙台は「自滅」で順位を下げる
4月23日に行なわれた11節の藤枝戦では、前半を0対1で折り返しながら63分、65分の連続弾で逆転する。ところが、86分に追いつかれると後半アディショナルタイムに被弾し、逆転勝ちに持ち込めなかった。
横内昭展監督が率いる磐田も、シーズン序盤は苦しんだ。勝点を取り切れない試合が続いたが、5月から徐々に調子を上げてきた。MF遠藤保仁、MF山田大記らが連続で欠場しているものの、保有戦力はJ2の上位にランクされる。このところの戦いぶりから判断しても、2点のリードを引っ繰り返されるチームではない。
6月11日の試合でも、仙台は前半のうちにFW中島元彦のクロスからのMF郷家友太のアクロバティックなゴールで1点を返したものの、2点目が生まれたのは後半終了間際で、試合をひっくり返すことはできなかった。
仙台の伊藤監督は62分にFW中島とFW中山仁斗を下げ、FWホ・ヨンジュンとMF相良竜之介を投入した。74分にも2枚替えを行なうが、直後の76分に3点目を決められてしまう。
結果的に、この失点が勝敗を分けた。90分に途中出場のMF遠藤康が今シーズン初得点を記録し、1点差に詰め寄る。しかし、5分のアディショナルタイムが終了した時点でも、スコアは2対3のままだった。
3失点はいずれも、決定的に守備を崩されたわけではない。ミスが絡んだか、アンラッキーと呼べるものだ。とはいえ、3失点を引っ繰り返すのは、仙台でなくても簡単ではない。序盤の2失点が、あまりにも痛かった。
試合後の伊藤監督は、「入りで難しいゲームにしてしまった」と語り、「1失点で終わりにできれば違った展開になってくるところで、2失点を献上してしまったことがすべて」と、序盤の戦いぶりを敗因にあげた。自滅と言ってもいいゲームである。
この日の結果により、仙台は順位をひとつ下げて8位となった。J1自動昇格圏との勝点差を詰め切れないまま、次節はシーズン前半戦の最終戦を迎える。