■次戦を見据える

 その後、浦和は選手交代を含め、より高い圧をかけることで広島の前への矢印を折る。攻撃の手を休めず猛攻を仕掛ける浦和がアディショナルタイムに試合をひっくり返す。90+2分、酒井がクロスを送ると、途中出場のFWブライアン・リンセンが頭で折り返し、ゴール前に侵入した伊藤が左足でゴールネットを揺らした。

 見事な逆転勝利となったが、「全員が最後まで諦めず戦うことを監督は常に話していますし、それを表現できている選手が今年は多いと感じています」(明本)。

 これで上位対決を制し暫定4位へ浮上。次節は4日、リーグ7戦負けなし(5勝2分)の鹿島アントラーズをホームで迎える。明本は「自分にとってはポジティブで、強い相手の方がモチベーションが高まりますし、鹿島は僕にとって相性が良いチーム。中3日ですが、自分の中ではフレッシュな選手なので先陣を切って戦いたいと思っています」と力を込めた。

 浦和の選手たちは逞しく成長し、一枚岩の戦う集団になっている。

(取材・文/石田達也)

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