U-20日本代表MF松木玖生が、ミスでも見る人を魅了した。失敗したものの、とんでもないPKを披露し、驚きの声を呼んでいる。
U-20日本代表は現在、アルゼンチンで開催されているU-20ワールドカップに臨んでいる。初戦ではセネガル代表に1-0で勝利し、幸先良く白星発進を飾った。
そのセネガル戦で決勝点を決めたのが松木玖生だった。パリ五輪を目指すこの世代の日本代表で、けん引役として期待がかかっている。
昨年はFC東京で、高卒ルーキーながら開幕スタメンを張るなど活躍。プレーも当然ながら、その強いメンタリティも称賛を集めている。
そのリーダーシップは、今大会でも期待されている。初戦をものにした日本代表は現地時間24日(日本時間25日)、キャプテンマークを巻く松木とともにコロンビアとの第2戦に臨んだ。
コロンビアも初戦で勝利していただけに、ここで日本が勝てばグループ突破に大きく近づく。幸先良くMF山根陸のゴールで開始30分で先制した日本代表だが、勝利への思いの強さはコロンビアも変わらず、後半8分には試合を振り出しに戻される。さらに6分後には勝ち越し点を許し、苦しい展開になった。
そんな日本に、大きなチャンスがやってきた。残り10分を切ってから、PKを獲得したのだ。この場面、PKスポットへ向かったのは松木だった。
キャプテンマークを巻いた背番号7は、チームの期待を背中で受け止める。相手GKはステップを踏んでプレッシャーをかけてきたが、松木は自分のキックに集中。思い切り左足を振るった。
思いが強すぎたのかもしれない。ボールは強シュートとなってゴールの中心線へ飛んだが、コースはわずか上。クロスバーを強烈に叩くのみだった。
だが、松木に呆然とする暇はなかった。こぼれたボールを、すぐさま蹴り込まねばならないからだ。
ただし、それは無理だった。キックの勢いがあまりにも強く、跳ね返ったボールはゴールとハーフウェーラインの中央付近まで、30m近くも飛んだのだ。こぼれ球に反応しようとキック直後にボックス内に走り込んだ両チームの選手も、完全に虚を突かれた格好だった。