■日本が負うハンディ
こうしてアルゼンチン開催が決まったのだが、開催地が変更されたことで日本チームにとっては難しい大会となってしまった。
大会がインドネシアで開催されていれば、日本からの距離も近く、時差もほとんどないのでアルゼンチン開催に比べてはるかに調整しやすかったはずだ。
移動距離の問題は重要だ。
たとえば、2022年のワールドカップでは西アジアに属するカタールで開催された。そのため、アジア勢にとっては移動距離が短くて済んだのでアジア勢が活躍した(なにしろ、サウジアラビアに至ってはカタールと陸上国境を接している)。
しかし、その8年前のブラジル・ワールドカップでは“ホーム”の南米勢の躍進に対して、長距離移動を強いられたアジア勢は“全滅”だった。
また、アルゼンチンは南半球にあるので大会が開催される5月、6月は晩秋から初冬に当たる。南米大陸でも緯度の高いアルゼンチンの冬は寒さに見舞われ、ラプラタ川(パラナ川)で霧が発生することも多く、湿気の中で体温が奪われる。
インドネシアでの開催となれば、蒸し暑さの中の試合となったはずだ。日本の選手は夏の蒸し暑さという環境には慣れているし、東南アジア遠征の経験のある選手も多い。一方、ヨーロッパ勢などにとっては蒸し暑さはやりにくい環境だったはずなのだが、涼しいアルゼンチンでならヨーロッパ勢も力を発揮しやすくなる。
もちろん、アルゼンチンをはじめ南米勢は“ホームアドバンテージ”を持っていると考えていい。