後藤健生の「蹴球放浪記」第161回「鞭声粛々(べんせいしゅくしゅく)、夜銀の河を過(わた)る」の巻(1)誤解が生んだ国名、地名、そしてサッカークラブ名の画像
大型の船でラプラタ川を渡ってブエノスアイレスへ向かう 提供/後藤健生

 蹴球放浪家・後藤健生にとって、アルゼンチンは馴染みの深い国である。さまざまな思い出があるが、常に立ちはだかるのが「銀の河」。まるで湾のような川が、立ちはだかってきた。

■U-20W杯の開催国

 U-20ワールドカップが5月20日にアルゼンチンで開幕します。

 富樫剛一監督率いるU-20日本代表はグループリーグで現地時間21日(日本時間22日)にセネガル、24日(同25日)にコロンビア、そして27日(同28日)にイスラエルと対戦します(どこか、ロシア・ワールドカップを思い出すような日程ですね)。会場は、最初の2試合が首都ブエノスアイレスから50キロほどのラプラタ、第3戦はアンデス山脈の麓のメンドサです。

 ラプラタ市は2011年のコパ・アメリカでもメイン会場の一つでした。

 1880年にブエノスアイレス市がアルゼンチン共和国の連邦直轄市となってブエノスアイレス州から分離したため、その後ブエノスアイレス州の州政府の所在地として人工的に建設された計画都市です(現在の人口は約50万人)。

 ブエノスアイレスとは鉄道やバスで結ばれています。バスに乗ると、まずボカ・ジュニアーズがあるボカ地区を通過し、リアチュエアロ川を渡ってラシンやエストゥディアンテスといった強豪クラブの本拠地であるアベジャネーダや、アルゼンチン代表のスポンサーだったビール会社があるキルメスといった街を通って、ラプラタ市に到着します。

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