■「自分の態度でチームの雰囲気も変わる」
佐々木にとって久々の対外試合となったが、「中盤の選手もスペースを見つけて立ち位置を取ってくれていたんで、すごく縦パスは入れやすい状況でした」と話すように、最終ラインから何度も攻撃を呼び込むパスを供給した。
「ここでアピールできれば次にチャンスが来る」と分かっているからこそ、課題としていた球際でも、いつも以上に気合が入った。
出場機会がなかなか訪れない中で難しい気持ちになることもあったが、「(瀬古)樹君が頑張っているんで」と、その“拠り所”を明かした。5月11日に公開された『サッカーダイジェストweb』での瀬古のインタビューを読み、「腐っているなんてありえない」という言葉が胸に刺さったからだ。
「プロ選手としてそれが一番大事なのかなと。出続けられるということはなかなかないと思うので、そこでしっかり腐らずに」
佐々木はそう話すが、常にポジティブに見えるだけにそれについて指摘すると、「いや、そんなこともないです」と否定し、かつての自身の経験を振り返った。
「高校のときはけっこう不貞腐れていましたけど、そこで気づかされたというか。大学の時も、常に自分に矢印を向けろと言われていましたし。自分の態度でチームの雰囲気も変わる。そういう選手を学生の時に見て来たので、気を付けながらやっています」
難しい状況でも、矢印を向けるのは自分自身。そして、「腐らずに」と繰り返す背番号5が、ニッパツのピッチでチャンスと白星を掴む。