【鈴木優磨のスター性(2)】鹿島・岩政監督が「いかにして優磨のよさを出すべきか」と絶対的信頼を寄せる男。激しさと義理堅さを併せ持つからこその強い求心力の画像
鹿島アントラーズFW鈴木優磨 撮影:中地拓也

 ゴールという結果、最前線での存在感、一見ヤンチャにも見えるピッチ上での一挙手一投足含め、スター性抜群の鈴木優磨三笘薫久保建英日本代表選手の多くが欧州を主戦場としている今、彼の存在はJリーグにとって貴重なのは間違いない。

 岩政大樹監督も鈴木優磨に絶対的な信頼を寄せている。3~4月にかけてリーグ戦4連敗を喫した際、周囲からは「優磨を外せ」というネガティブな声が高まったが、指揮官は「いかにして優磨のよさを出すべきか」を熟考し続けた。2022年前半に上田綺世との2トップで輝きを放った彼自身のパフォーマンスに思いを馳せ、垣田裕暉との2トップ採用を決断。そこから5戦4発の固め取りを見せている。

 本人も今のゴールラッシュが自分1人の力だとは決して考えていない。

「沢山の人が俺に携わってくれて、今の俺が成り立ってる。今日もピッチに入る時に『これだけ素晴らしい環境でできるのは当たり前じゃない』と思ってた。ファンの多さを見ても分かる通り、本当に鹿島が作り上げてきたものは大きいし、僕たちが壊さないように、続けていけるようにしなきゃいけないって思う。身が引き締まる思いです」

 ジーコの御前で決勝弾を挙げた名古屋戦後、神妙な面持ちでこう語っていたが、彼は謙虚さと義理堅さも確かに持ち合わせている。「素の鈴木優磨」を岩政監督もチームメートもよく分かっているからこそ、信頼が揺らぐことは全くないし、看板エースとしてチームを引っ張ってくれると確信しているはずだ。

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