■「アントラーズって特別な試合はあまりなくて」
4月23日のアルビレックス新潟戦からのリーグ5連勝で勝ち点22の5位に浮上した鹿島。首位・神戸とのポイント差は7とまだ大きいが、岩政監督が選手として初タイトルを取った2007年は13節時点で首位・ガンバ大阪と8差の9位。そこから凄まじい巻き返しを見せ、最終的に浦和レッズを抜いて逆転優勝したことを考えれば、まだまだチャンスはあるはずだ。
96年生まれの鈴木優磨は当時小学生。鹿島ジュニアの一員としてその光景を見ていたはずだ。イタリア・メッシ―ナから夏に復帰し、背番号40をつけて異彩を放った小笠原のパフォーマンスも覚えているに違いない。今、その偉大な番号をつけ、ピッチに立っている彼も大先輩のようなリーダーシップと結果を残す必要がある。
「アントラーズに関わる人なら分かると思うんですけど、やっぱりアントラーズって特別な試合はあまりなくて、どの試合も同じモチベーションでのぞむのが僕が知ってるアントラーズだし、僕が見てきた先輩方の姿。つねに高いパフォーマンスを出せるように頑張りたいと思います」と名古屋戦後にコメントした通り、5月20日の次戦・FC東京戦以降も高値安定を維持することが肝要だ。
最終的に大迫越えを果たし、鹿島のスターからJリーグ屈指のスターへ飛躍を遂げられるのか。2023年のラストに鈴木優磨がどう大化けしているかを楽しみに待ちたい。
(取材・文/元川悦子)