■「サッカーの表裏一体のところ」
さらに鬼木監督は、すでにピッチの上でも隠すことなく披露している攻撃面についてもこう続ける。
「ディフェンスの選手ですけど、やっぱり攻撃が好きっていうのが他の選手とちょっと違うところを生んでいる要素でもあると思うんですよね。そういう選手って、各チームに一人ぐらいはいると思うんです。そういう、ボールを上手につないでいく選手とか、(CBで)チャレンジする選手って、“軽い”って言われがちですけど、でもそこがサッカーの表裏一体のところというか。そこを通したら一気に変わっていくというリスクをしっかり分かっている。それが面白味でもあるのかなと思います」
高井は、今年の沖縄キャンプの時点で自身の憧れにして目標をオランダ代表DFファン・ダイクとしており、その理由を攻撃面で挙げていた。それは、リーグ戦が始まってからも変わっていない。
「守備の選手ですけど、多分、点を取りたいと思っている選手なので。それが魅力ではあります」と、鬼木監督は、「多分」という言葉を使ってこうも説明していたが、指揮官に話を聞く20分前に、高井はまさしく得点について意欲を語っていた――。
(取材・文/中地拓也)