■「オウンゴールではないと思います」
オープニングではバックスタンドに「URAWA AIR」も飛んだし、ハーフタイムの右のゴール裏の大きな旗は手で持っているのも大変なほど膨らんだ。
48分、浦和に先制ゴールが生まれた。
マリウス・ホイブラーテンのヘディングでのゴール前へのボールに興梠は頭で触れなかったが、それが幸いした。風も少しは味方したのかもしれないが、クリアしようとしたアンドレ・カリージョはゴールに蹴り入れてしまった。
興梠は「オウンゴールではないと思います」と答えた。
ホイブラーテンは絶叫していた。
表彰台でMVPに選ばれた酒井宏樹は涙していた。
「ACLのタイトルを目標にしてきました」そして「あれだけの圧力をかけてくれた」サポーターに感謝していた。
2シーズンにまたがった1年2か月のACL、準決勝まではキャプテンを務めて、この決勝でも体を張って好セーブを見せた西川周作も喜びをかみしめていた。