■「無理はしましたが無謀ではなかった」

 酒井は4月9日のJ1第7節名古屋グランパス戦で負傷交代(右ハムストリング肉離れ)し途中離脱していたが、しっかりこの決勝2戦に合わせてきた。

「無理はしましたが無謀ではなかった。サッカー選手なので誰かしらどこか痛めている。怪我に関しては自分の責任なのでチームに迷惑かけることはできないし、冷静に判断しよう」と監督やドクターと話し合い、「やれる状況だったのでやりたいと。チームメイトには助けられました。周りの選手が働いてくれたので、そこは感謝したいです。つきっきりでやってくれたトレーナーさんたちに感謝しています」と口にした。

 今大会のMVPについては、「どうですかね……。自分としてはあまり活躍できたトーナメントではなかった。やることは多くありますし、ディフェンダーが取ることはディフェンダーにとって大事なことですが、アル・ヒラルが優勝したらアル・ヒラルの選手でしょうし」と話すと、「優勝したからもらえたものなのでチームに感謝したいです」と続けた。

 Jリーグに復帰した時から、ACLのタイトルは目標にしていたと言う。それを手に入れた今、次なる目標を定めて前を向く。

「こうやって(ACLを)獲得できたことを幸せに思います。ただリーグは続きますが、内容を見れば差はあるので謙虚さを保ちながら、チームとしてもう1つレベルアップして、こういうレベルの相手に、しっかり戦えるチームになって行かなくてはいけないと思っています」

 決して立ち止まらない。さらに貪欲に成長を示していく構えだ。

(取材・文/石田達也)

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