J1名古屋グランパスの日本代表DF藤井陽也が豪快なゴールを決めた。試合終了間際の劇的な同点ゴールに、驚きと称賛が広がっている。
3日のJ1第11節で、上位同士の対決が実現した。3位の名古屋が、首位に立つヴィッセル神戸をホームで迎え撃ったのだ。
名古屋にとっては苦しい展開になった。開始から11分後、リーグ戦ここ5試合で4得点している大迫勇也にヘディングでゴールネットを揺らされたのだ。
大迫の好調ぶりは止まらなかった。後半25分にはボックス内で体の強さを活かしてDFを弾き飛ばし、佐々木大樹の追加点をアシストした。
名古屋のゴールが生まれないまま、残り時間が20分を切った。すると後半38分、マテウス・カストロの強烈な左足シュートが弾かれたところにキャスパー・ユンカーが詰め、1点を返す。今季4得点を決めているユンカーだが、これが名古屋加入後ホームでの初ゴールとなった。
試合は最後まで気の抜けない展開となった。アディショナルタイムに入ってから6分後には、神戸MF齊藤未月がこの試合2枚目のイエローカードを受けて退場処分となる。筋書きが読めないドラマが続いた。
最大の見せ場は、最後の最後にやってきた。アディショナルタイムに入って8分後のことだ。名古屋の選手がゴール前へと入り、上がってきた藤井がボックス内へとボールを送る。ペナルティーエリア内には名古屋の選手が8人入っているが、数的不利に陥っている神戸も人数を割いて必死に守る。神戸は何とかボールをボックス外に弾き返したが、そこにいたのが藤井だった。
シュート体勢に入ると神戸DF酒井高徳がコースを防ぎに飛び込んできたが、左足で冷静に切り返して持ち直す。目の前に空いたコースを見逃さず、思い切り右足を振るうと、弾道はゴール右上隅を突き、ゴールネットを揺らした。