■ゴールで汽笛が鳴るクラブ

 もともとは1922年にモスクワの「10月革命鉄道」の労働者のクラブとして発足し、ソ連時代は鉄道省が所有していました。国有だったものの、秘密警察のクラブである「ディナモ」や軍のクラブである「CSKA」に比べれば、「ロコモティフ」はもともとが鉄道労働者のクラブだったのでより庶民的なクラブでした。

 ちなみに、「ロコモティフ・モスクワ」は現在もロシア連邦交通省が所有し、ロシア鉄道が運営しているそうです。

 博物館を見て分かったのは、ロシアでは鉄道の歴史が大事にされているということでした。あまり多くの観光客が訪れることもない小さな博物館に、あれだけ多くの蒸気機関車を動態保存しておくには、かなりのコストもかかるはずです。

 そういえば、中央環状線は2016年に旅客輸送を始めたばかりなので駅はどこも近代的なものでしたが、多くの駅には古い駅舎がそのまま保存されているようでした。

 ロシアの鉄道とロシアの近代化の歴史。そして、そのロシアが近代化する中で根付いたロシアのフットボール……。鉄道博物館を歩きながら、様々なことを考えさせられた一日になりました。

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