■驚きの執着心

 驚かされるのは、中村のボールへの執着心だ。空中へ体を投げ出している間も、地面に体を打ち付けても、どこへボールが動こうともプレーが切れるまでボールから目を離さないのだ。だからこそ、セーブの後もシュートを打たれたが、ボールがゴールを割ることはなかったのだろう。中村の執念が、ゴールを許さなかったかのようだ。

 このシーンを取り上げた『VSPORTS』は「この日本人GKはまたも反応の良さを見せ、ポルティモネンセの勝利を確保した」とコメントしたが、実は中村の受賞は2節連続だ。第28節でも、目の前で合わされたFKを弾き出し、ベストセーブ賞に選ばれていた。

 中村の活躍もあり2試合連続で1-0で勝利したポルティモネンセは、13位へと浮上。次節には現在3位につけるブラガと対戦するが、厳しい試合でこそ中村がさらなる輝きを放つはずだ。

  1. 1
  2. 2
  3. 3