5月6日、アジア王者を懸けて行われたACL決勝の第2戦。浦和レッズが埼玉スタジアムにアルヒラルを迎えたのだ。
この試合の行方を左右したのが強風だった。試合前から埼玉スタジアム周辺では強い風が吹き荒れており、ピッチ上での散水時に水が広範に飛び散る状況に。試合になっても風の勢いは止まず、高いボールを蹴れば軌道が変わり、押し戻される場面もあったほどだった。
そんな中でも戦う選手たちをサポーターが後押ししていたが、その観客席でも強風との戦いが勃発していた。特にそれが目立ったのが、後半開始早々のことだ。
ハーフタイム明けにピッチに戻ってくる選手にエールを送るべく、試合開始前だけでなく後半開始時点でもビジュアルが実施された。その際、南側の観客席をすっぽり覆いかぶさるようにして現れたのが、巨大という言葉では言い表されないほどのビッグフラッグ。赤地に白抜きでハートマークが描かれ、その中心には「12」の赤い数字がしたためられたものだ。
残りの45分間が始まるとこのフラッグの回収作業が始まったのだが、その際、風が強すぎて旗は上空に飛んでいきそうに。その際、フラッグの端を掴んでいた人が飛ばされるのでは、との声も現場では聞かれたほどだった。
しかし、百戦錬磨の浦和サポが負けるわけがない。とてつもない強風にもかかわらず、多少を時間をかけてでも旗を収納。見事にしまうと、その直後、ピッチ上で先制ゴールが生まれたのだった。