5月6日に、埼玉スタジアムで3度目のアジア王者に輝いた浦和レッズ。2019年に同じくACL決勝の舞台で完敗を喫した相手に、きっちりとリベンジを果たしたうえでの栄冠となった。
この試合の決勝点は、記録上、オウンゴールとなった。後半3分に得たFKにDFマリウス・ホイブラーテンが頭で合わせ、それをクリアしようとしたアルヒラルの選手が最後は押し込むような形で決まったからだ。
しかし、浦和がチャンスを作らなかったわけではなかった。幾度も決定機を迎えたが、その一つはスタジアムにいたファン・サポーターの記憶に残るかのような場面だった。それは、前半29分過ぎの興梠慎三がフィニッシュを放った場面だ。
このシュートは、酒井の右サイドでのスローインを伊藤敦樹が高い位置で受けるところが起点となる。ボールを保持する伊藤を見ながら、酒井は内側に縦に走り込む。その右SBにタイミング良く合わせて伊藤がボールを出すと、酒井は縦にドリブル。そして、アルヒラルの最終ラインとGKの間に早く鋭いクロスを送るのだ。
通常であれば合わせるのが難しいボールだが、そこに見事に走り込んだのが興梠慎三である。急加速してボールに向かうと、ジャンプして右足で合わせる。これはバーに阻まれてしまったものの、スタジアムの熱気を一気に高めるものとなった。