元オランダ代表のアリエン・ロッベンが、39歳にしてマラソンの自己ベストを更新した。2度目のマラソンで3時間を切るという偉業に、驚きと称賛の声が広がっている。
ロッベンは現役時代、レアル・マドリードやバイエルン・ミュンヘンといった各国の名門クラブでプレーした。サイドを圧倒的なスピードで突破し、カットインからの強烈なシュートで、相手守備陣を脅かし続けてきた。オランダ代表でも96試合に出場して37ゴールを挙げたレジェンドだ。
そんな偉大な選手にも、スパイクを脱ぐ時はやってきた。プロキャリアを歩み始めたフローニンゲンで1シーズンプレーした後、2021年に引退を発表した。
だが、ロッベンはロッベンであり続けた。引退の翌年には、マラソンにチャレンジ。ロッテルダムマラソンを初挑戦で完走し、3時間13分40秒という記録を残したのだ。
ロッベンは、骨の髄までアスリートであるようだ。それに続いて今度は3時間切りを目標に、ロッテルダムマラソンに再挑戦することを決めたのだ。
42.195キロを3時間未満で走る――口で言うほど、簡単なことではない。いわゆる「サブ3」と言われる記録となるが、日本のマラソン完走者のうち、男性ランナーでの3時間切りは4%に満たないと言われている。
目標が困難であるほど燃える。それが、トップのアスリートというものだ。
見た目は現役当時ほどの筋力はなさそうだが、マラソン用の体に鍛え上げてきたようだ。完走するだけでも大変だというのに、ロッベンは大幅に記録を更新。2時間58分33秒というタイムで、見事にゴールへ飛び込んだ。
ゴール直後に地元ラジオ局の取材を受け、笑顔を浮かべながらインタビューに応える。ひざに手をつきながらも話す姿は、間違いなくアスリートのものだった。
レース後、オランダメディアの取材にも対応している。
「本当にしんどいけど、やったよ」
「僕のようなスプリンターにとっては、この距離は相当長い。でも、僕はスポーツとチャレンジが好きなんだ」