■秋葉新監督の下で「連動性」がアップ
スペクタクルな攻防が繰り広げられた。
今シーズン初の水曜開催となったJ2リーグ第9節が、4月12日に行なわれた。注目は清水エスパルス対ベガルタ仙台である。どちらもJ1昇格候補にあげられながら、清水は1勝5分2敗の16位、仙台は3勝2分3敗の10位にとどまっていた。
ただ、清水は秋葉忠宏監督の就任2試合目となった前節の東京ヴェルディ戦で、2対1の逆転勝利を飾った。「超攻撃的」な姿勢を打ち出す指揮官のもとで、チームの雰囲気がはっきりと変わっている。
前節から中3日の日程で迎えた一戦だが、秋葉監督は東京V戦とほぼ同じメンバーを選んだ。先発の入れ替えは2人で、左サイドバックがDF岸本武流からDF吉田豊に、右MFがMF中山克広からFWディサロ・燦・シルヴァーノとなった。左SBは開幕戦から6試合連続で先発していた山原怜音が、左足のケガで長期離脱を強いられている。
前節の東京V戦から、清水は前線の並びを変えている。元日本代表MF乾貴士がトップ下に入り、FWチアゴ・サンタナと縦関係を組む。これにより、中央からの崩しが見られるようになった。
さらに、2列目左サイドのカルリーニョス・ジュニオ、同右サイドのディサロも外へ張り出すのではなく、内側へポジションを取る。タッチライン際のスペースは、右SB北爪健吾と左SB吉田が活用する。ダブルボランチのホナウドと白崎凌兵も、バランスを見ながらアタッキングサードへ飛び出していく。
複数の選手がかかわりながらボールを動かしているので、選手同士の距離感がいい。ワンタッチパスも効果的に使えるようになり、相手の目線を外すことができるようにもあっている。「攻」から「守」への切り替えでも連動性が発揮され、仙台に起点を作らせないのだ。