■システム変更後のぎこちなさ
こうして日本が逆転に成功した後、1点を追うポルトガルがFWの枚数を増やしてロングボールを多用してきたのを見た池田太監督はメンバー交代を使ってフォーバックに切りかえた。
しかし、フォーバックになってからは攻撃の形は作れず、なんとか逃げ切ったというのが現実。久しぶりのフォーバックで立ち位置を確認する方に意識が向いてしまい、守備の出足が悪くなったのが苦戦の原因。本来はセンターバックの南萌華が左サイドバックに入り、サイドバックが本職の清水がセンターバックに入るなど最終ラインの構成がアンバランスだったことも苦戦の原因だったかもしれない。
従来の基本布陣であるフォーバックと現在取り組んでいるスリーバックを併用するというのが池田監督の考えらしいが、スムーズに切り替えることは難しそうだ。
もっとも、森保一監督が率いる男子の日本代表もワールドカップ直前までスリーバックを機能させられなかったが、2022年9月のアメリカ戦をきっかけにスリーバックを使えるようになって本大会では2つのシステムを駆使してドイツ、スペインに勝利した。
女子代表も、7月の強化合宿と最終段階でのテストマッチを通じて両システムの併用が可能になるのか、あるいは併用を諦めるのかを見極めていく必要があるだろう。