4月8日、J2リーグが各地で行われ、ベガルタ仙台はアウェイに乗り込んでヴァンフォーレ甲府と対戦した。
仙台にとって、勝利を欲した試合となった。この試合を前に、チーム再建の立役者である佐々木知広社長が4月25日をもって退任することが発表されていた。クラブに精力を傾けた恩人のため、そして、勝利数がまだ「2」という不本意な結果を覆すため、敵地であっても勝利が必須だった。
そんなチームは前半25分に先制。中島元彦がゴール前でのチャンスをしっかりと決めたのだ。勝利を確固たるものにするため追加点が欲せられたが、その歓喜は前半アディショナルタイムに訪れた。
中盤でボールを奪った仙台はそのまま中島にパスを回す。この背番号7は前を向いてドリブルすると、巧みなステップからスルーパスを放つ。これに反応して裏に抜け出したのが山田寛人で、ペナルティエリアに難なく入り込むと、最後は出てきたGKとの1対1を冷静に決めてゴールネットに流し込んだのだ。
このゴールには、「ピッポの裏抜けだわ」とかつてのイタリア代表FWフィリッポ・インザーギのゴールを彷彿とさせるというSNSのコメントも上がったのだった。