後藤健生の「蹴球放浪記」第155回「コルテスが来た道で異世界を妄想する」の巻(2)火星旅行を夢見させたオーストラリアの赤い大地の画像
メキシコ大会のADカード 提供/後藤健生

 世界は広い。さまざまな選手がいるし、志向するサッカーも、それぞれだ。実際に世界大会に足を運べば、驚きに出くわす。蹴球放浪家・後藤健生を驚かせる風景も、そこにはある。

■異世界を覗き見る

 中央高原よりもいくらか標高が低いトラスカラ盆地では、サボテンやリュウゼツラン(竜舌蘭)といった植物が中央高原よりもずっと大型化するようです(リュウゼツランはメキシコでは「マゲイ」と呼ばれて、あのテキーラの原料となります)。異様な形をした巨大な植物が生い茂る風景は、まるでシダ植物が?栄していた恐竜時代のような雰囲気です。

 再び居眠りをして目を覚ますと、今度はバスは塩原の中をひた走っていました。塩原というと、ボリビアにある「ウユニ塩原」が有名ですよね。干上がった塩湖はまったく平らで、一面の塩ですから真っ白に輝いています。そして、それがほとんど地平線にまで連なっているのです。

 どの景色も、日本では想像もできないようなもの。「異世界」を覗き見した感覚でした。

 コルテスが築いた要塞都市ベラクルスの街も素晴らしかったですが、僕は「コルテスが来た道」で見かけた、あの「異世界」の風景が今でも忘れられません。

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