■スペイン人のすさまじい気概
アステカ帝国は周囲の国々を武力で抑圧していたため、周囲の民族は反アステカ感情を抱いていました。そのことを察知したコルテスは、そうした反アステカ勢力と同盟を結んだのでした。また、当時のスペインの軍事力は世界最強でした。なにしろ、メキシコの人たちは馬を見たこともありませんでしたから、馬に乗ったスペイン人を見て驚きました。銃の威力も圧倒的でした。
また、アステカの人たちは白い顔をしたコルテスたちを見て、かつて「いつか再び戻ってくる」との予言を残して東の海に消えていったという白い神「ケツァルコアトル」だと思い込んだのだとも言います。
いずれにしても、他民族を軍事力で征服することが善いことだとは思いません。当時のヨーロッパ人たちがやっていたことは、現在のアメリカが中国を非難するときの常套句「力による一方的な現状変更」そのものです。しかし、たった３００人で大帝国に戦いを挑むという精神力は尊敬に値します。
今のスペイン代表チームのＦＷにそれくらいの気概があったなら、日本チームなどに敗れることはなかったはずです。
