■時には空回りしてもいいじゃないか
この日、自然に一番ファインダーに入ってきたのは鈴木だった。キャプテンマークをつけた男は雨中を走った。この男には熱さを感じることができる。何かと否定的に言われることが多いが、私は、鈴木は意外と紳士的だと思う。熱さは大切だ。怒りだって大切だ。人間だからブチ切れたってかまわない。冷めるまで時間がかかることもあるだろうが、聖人君子のような顔をしてサッカーをしたところで面白くもなんともないのだから。
鈴木はいいと思う。
時には空回りしてもいいじゃないか。
みんなが同じだったら、サッカーはつまらない。
個性は大切にすべきだ。