桜が咲いているというのに、冷たい雨。
こんな中でサッカーを見るのは苦痛をともなう。試合がとびっきり面白くて、応援するチームが勝ってくれれば、それは軽減されるのだろうが、そんな環境には滅多に恵まれることはない。
「激しい試合」と横浜FMのケヴィン・マスカット監督は言った。
そして「どちらに点が入ってもおかしくない試合」と鹿島の岩政大樹監督は振り返った。
そんな試合が動いたのは56分、横浜FMの松原健の豪快なゴールだった。
必死さが裏目に出てしまうまさかのオウンゴールも加わった。
それでもキャプテンマークを付けた鹿島の鈴木優磨はチームを鼓舞した。
自ら1点を返して、必死に追いかける姿が見えた。
納得しがたいでレフェリーとのやり取りもあったが、鈴木は熱かった。追撃のムードは乱闘や黄色や赤いカードで否定されてしまう。レフェリーとの相性というのは確かにある。出されるべくして出されたカードにも布石はあった。ディエゴ・ピトゥカのレッドカードは自らもらいに行ったようでいただけなかった。見逃したようで次に用意しておくカードもある。