■何度も繰り返した「勝ちたかったです」

 さらに、具体的に「左足のクロスがひどくて、もっと練習します」と話す18歳は、「キャンプの時はクロスを上げるシーンが少なかったので、(この試合で)クロスを上げる回数が増えたのは成長なんですけど、それに伴う質も上げなければいけない」と自身に成長を求めた。

 当たり負けしないプレーについて聞いても、「そこは自分の武器でもあるし、求められている部分でもある」としながらも、直後に「そこにプラスアルファで、クロスです」と課題を挙げれば、さらに、「吉田豊選手というJリーグで強い選手と当たってもやれるという手応えはありましたけど」としたうえで、「吹き飛ばせるくらいに、もっと筋トレとかもやっていかないといけない」と、またしても課題を挙げるのだった。

 その松長根が繰り返し口にしたのが、「勝ちたかったです」という言葉だった。1つの質問に答えるたびに、この言葉を口にしていたのではと思うほどに、何度も繰り返した。勝ちたかったからこそ、どんなことについても課題を口にするのだ。

 川崎フロンターレはこの試合を落としてしまった。だが、ルーキーの胸に「勝利への執着心」をメラメラとたぎらせたことは、この上ない収穫だ。

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