■一番見せたい人の名前
松長根のデビューする姿を見て、「一人だけカメラを気にしてた」と笑わせたが、名願自身もカメラに映って姿を見せたい人がいる。「いろんな人に見てもらいたいって気持ちはあります」と話す１８歳は、「親はもちろんですけど、今まで指導してくれた監督とかコーチには見てもらいたい」と語気を強める。
その中でも、「一人挙げるなら」と、自身の姿を一番見せたい人の名前として、履正社高校サッカー部の平野直樹監督を挙げた。「サッカーに対して熱心な方で、自分もサッカーに対しての気持ちが変わった。貪欲になることができた」と、影響を明かす。その平野監督からは、川崎に入団する前に、「おまえは日本のプロでやるんじゃなくて、海外で通用するように」と期待の言葉をかけてもらった。
高校の卒業式はすでに終わっており、参加することができなかった。友達からは、「卒業式、来―へんの？」と連絡が来たが、今はサッカーに集中している。
入団後、大阪にはまだ帰っておらず、チームメイトなどと交流する時間が増えてきている。寮生活を共にする大関友翔とは牛たんを食べに行き、「一番仲良くさせてもらっている」と話す永長鷹虎とは町田にハンバーグを食べに行った。履正社高校の先輩である平岡大陽（湘南ベルマーレ）とは、焼肉を食べに行く約束をしている。
「結果にはこだわってやっていきたい」と力強く語る魅惑のドリブラーは、日本平でプロデビューを果たすことができるか――。
（取材・文／中地拓也）
