「浦和レッズの出場濃厚」FIFAクラブワールドカップ「枠数7から32への一気拡大」迷走ぶり【サッカーを危機へと追い込んでいくFIFA】(1)の画像
FIFAのインファンティーノ会長はカネ儲けを狙い続ける 写真:AP/アフロ

 国際サッカー連盟(FIFA)は、その名の通り国際大会を運営する組織である。今では代表チームだけではなくクラブ世界一を決める大会FIFAクラブ・ワールドカップ(FCWC)までも運営している。だが、代表チームも含めたワールドカップは無謀な肥大化を続ける。この現状に、サッカージャーナリスト・大住良之が警鐘を鳴らす。

■浦和のクラブW杯出場の可能性

 「浦和レッズのFIFAクラブ・ワールドカップ(FCWC)出場は濃厚ではないか」

 2月14日、そんな話が出た。その理由は、この日行われた国際サッカー連盟の理事会(カウンシル)で、ことしのFCWCの開催が正式にサウジアラビアに決まったことにある。

 12月12日から22日にサウジアラビアで開催されることになったFCWC。アジアサッカー連盟(AFC)の1枠は、2022年度のアジアチャンピオンズリーグACL)優勝チームに与えられる。東地区を勝ち抜いて決勝進出を決めた浦和。4月29日と5月6日に予定されている西地区代表との決勝戦に勝たなければ出場権を得られないはずなのだが、開催地がサウジアラビアになったことで、「負けても出場」の可能性が出てきたのだ。

 FCWCでは、開催国に1枠が割り当てられている。そして開催国のクラブが地域チャンピオンになった場合には、準優勝クラブがその「開催国枠」にはいる可能性が高い。2007年のFCWCは日本開催だったが、浦和がACLで優勝したため、「開催国枠」はACL準優勝のセパハン(イラン)に回されたという前例がある。

 ちなみに西地区のノックアウトステージは2月19日から26日までカタールのドーハで開催されており、サウジアラビアからは3クラブが出場、決勝戦にはカタールのアルドハイルとともにサウジアラビアのアルヒラル(前回チャンピオン)が残っている。

 ともかく、昨年の分の大会がことし1月に行われ、レアル・マドリード(スペイン)が優勝を飾ったFCWCの次回大会は、ことし12月にサウジアラビアで開催される。そしてこの大会が、2005年から毎年続けられてきた各大陸(地域連盟)から原則チャンピオンのみ1クラブが出て戦うノックアウト方式のFCWCの、最後の大会となる。次回からは、4年にいちどの大会となり、出場クラブも従来の7クラブから一挙に32に増やされ、大会形式も大きく変わることになったからだ。

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