2月26日、Jリーグのピッチで珍しい光景があった。高校時代の恩師と教え子が、プロの立場で再会を果たしたのだ。
今季からJ2のFC町田ゼルビアを指揮する黒田剛監督は1995年から昨年まで青森山田高校の監督を務めていた。同高はこれまで数多のJリーガーを排出してきた名門校。カタールワールドカップの日本代表メンバーにも選ばれた柴崎岳や、昨季はルーキーイヤーながらFC東京の主力となっている松木玖生などはその一例に過ぎない。
その黒田監督は2月26日、町田GIONスタジアムでザスパクサツ群馬と対戦した。J2リーグの第2節である。その相手チームに、2人の教え子がいた。櫛引政敏と天笠泰輝だ。櫛引は現在30歳、天笠は22歳と年齢差は「8」。
しかし、青森山田を長年にわたって率いてきた黒田監督にとってはどちらも教え子だ。着用するユニフォームが違っても、その関係性に曇りはない。3人は会話を交わすと、去り行く教え子の背中に指揮官は一瞬ではあるが手を当て、別れることとなった。