J3のAC長野パルセイロを率いるシュタルフ悠紀監督が、キャンプ初日にJリーグ指揮官として前代未聞の行動を見せた。SNSで公開されたまさかの姿に、絶賛の声が広がっている。
長野は2014年からJリーグで戦っている。2位となりJ2との入れ替え戦に出場したJリーグ挑戦初年度を最高成績に、その後もJ3での戦いが続いている。
J2初昇格への先導する役目を引き受けているのは、38歳の青年監督だ。シュタルフ悠紀監督は就任初年度の昨季、前年の9位から順位を1つ上げただけだったものの、1試合平均得点を前年の0.97から1.23に上げるなど、チームに変化を起こしていた。
シュタルフ監督は、選手としてスイスやアメリカなどでプレーし、引退後は父の母国であるドイツで指導者ライセンスを取得。2019年にユース時代を過ごしたY.S.C.C.横浜(YS横浜)で、Jリーグ史上最年少の34歳で監督に就任し、指導者キャリアを歩み始めていた。
YS横浜では十分な環境が整っていないものの、2021年のJ3リーグではチーム歴代最高の8位へとチームを導いた。毎年選手が引き抜かれる苦しい台所事情での躍進であり、選手移籍の痛手さえもシュタルフ監督の手腕の高さを意味していた。
YS横浜では、練習は必ず全員でハイタッチを交わして終えるなど、チームの一体感も重視していた。その指導法は、今シーズンの長野でも変わらないようだ。
長野は24日から、静岡県御殿場市でトレーニングキャンプに入った。クラブがツイッター公式アカウントで公開したキャンプインの様子は、驚くべきものだった。
宿舎へと、選手たちの乗ったバスが到着する。「ようこそ~」と歓迎の声が上がり、クラブの旗が振られているのだが、迎えているのはなんとシュタルフ監督なのだ。
4歳年上の増井淳二フィジカルコーチとともに両端を持ってクラブの旗を広げ、左手で小旗を振っている。まさに旗振り役として、チームを導く決意の表れだ。