鬼木達監督の声がピッチに響いていた。
「エラーが出るのは仕方ない。思い切ってやろう」
選手たちは10対11のフォーメーション練習に取り組んでいた。川崎フロンターレが沖縄の恩納村で1月15日に合宿をスタートさせて、はや6日目。1月20日の午前練習中での一コマだった。
練習の要点は守備側が、前からのプレスを外されたときにどう態勢を立て直すのかというもので、特にサイドを変えられた時に全体がどう対応するべきかをピッチ上で確認していた。
「ヤマ(山村和也)とタクマ(大南拓磨)、あれ難しいか?」との鬼木監督の問いかけは、相手選手に対しアプローチしきれなかった場面を指しているが、その一方で「全部をジャストで取れることはない」とフォローする鬼木監督の声も聞かれた。奪いに行ってエラーが出るのは仕方ない。逆に問題点をあぶり出すにはその方が好都合だ。この時期だからこそのチャレンジだとも言える。新加入選手が加わった新チームだからこそ、しっかりとした守備面の土台を作っておきたい。
このメニューを含め強度高く1時間40分ほどやりきった午前練習に比べると、午後練習はごく軽めに40分ほどで終わっている。午後練習の締めは、フィールドプレーヤー対GKのヘディングシュートゲーム。FPが2人一組でボックス内をヘディングしながら駆け引き。GKに対しヘディングシュートを決められれば1点というもの。14組のFPチームに対しGKチームは4失点したら負けと宣言し、結局FPが勝利している。