■舞台で熱唱

 そんなミナス・ジェライス州の中でも金鉱があった「オウロ・プレット」(「黒い金」)は経済的に大繁栄し、旧市街には当時建設された数々の名建築が軒を接しているのです。金鉱はすでにほとんどが閉山となっていますが、今でも宝石類は産出されているようです。

「ブラジル滞在中には、ぜひ行ってみたい」と思っていたのですが、大会中にメディアツアーがあったので、すぐに参加を申し込みました。日本人記者数名を含む総勢20人ほどのツアーで、ベロオリゾンテから山道を通ってオウロ・プレットに向かいました。

 山の中の街ですから坂道だらけで入り組んだ道路網を形成しており、まるで17世紀の植民地時代に迷い込んだような気になります。古い歴史を感じるレストランでの昼食も含めて、本当に印象的な1日観光でした。

 そうそう、古い劇場を訪ねた時には舞台に上がらせてくれたので、僕はステージ上でジャコモ・プッチーニ作曲のオペラ『トゥーランドット』の中のアリア「誰も寝てはならぬ(ネッスン・ドルマ)」を熱唱しました(もちろん、「心の中で」ですが)。

 広大なブラジルでの大会は移動が大変でしたが、2013年のコンフェデレーションズ・カップと翌年のワールドカップのおかげで多くの都市を巡ることができました。やはり、ワールドカップはこういう方が楽しいなぁ。

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